開院10周年のごあいさつ

2015年4月21日の開院から、本日で10周年を迎えました。
この10年間、地域の皆さまに支えていただきながら、日々の診療を通して多くの患者さんと出会い、共に歩んでこられたことに、心より感謝申し上げます。
私たちが大切にしてきたのは、病気そのものだけでなく、目の前の患者さんにとって、本当に意味のある医療とは何かを常に考える姿勢です。
特に継続的な治療が必要な病では、医学的に正しくても、生活背景や価値観に合わなければ続けることが難しくなります。医療は、治療法の提示だけでなく、「どのように暮らしたいのか」「何を大事にされているのか」を理解し、一人ひとりの患者さんにとって納得できる選択肢を一緒に見つけていくことが大切です。だからこそ、私たちは価値観に寄り添いながら、最適な方法を一緒に考えます。
もちろん、ときには耳の痛いことや、不都合に感じられる内容をお伝えしなければならないこともあります。不安や負担を感じさせる内容であっても、あえてお伝えしなくてはならない時もあります。
私たちは「迎合」ではなく、「信頼」に基づいた医療を目指しています。
健康を守るために必要なことを、きちんと伝えることが医療者の役割だと考えているからです。
この10年の間に、私たち自身も多くの経験を重ねてきました。うまくいったことばかりではなく、反省や改善の連続でしたが、その積み重ねが今の私たちの礎となっています。
当院には、多職種の仲間がいます。それぞれが専門性を活かしながら、立場を越えて協力し合い、目の前の患者さんのためにできることを日々考えています。「自分の仕事」にとどまらず、「誰かの支えになる行動」を自然にとれる現場でありたいと、私たちは思っています。
限られた医療資源のなかで「患者さんのために何ができるか」をチーム全体で考える。
そんな医療体制をこれからも続けていきたいと思っています。
これからも、正直に、誠実に、地域の皆さまの健康と安心のために続けてまいります。
10周年のこの節目に、あらためて心に刻みます。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
宇都宮腎内科皮膚科クリニック
スタッフ一同