☝️ 水いぼ(伝染性軟属腫)について

水いぼは、子どもによく見られるウイルス性の皮膚の感染症です。表面がツルツルとした小さな白いできもので、かゆみがあることもありますが、ほとんどの場合は自然に治ります。治るまでには半年から1年ほど、長い場合は数年かかることもあります。

当院では、水いぼの摘除(つまみ取り)は原則として行っていません。

水いぼを取る処置はとても痛く、お子さんにとって大きな負担になります。しかも取っても再発することがあり、時間が経てば自然に消えていくことが多いため、必要のない痛みを伴う処置は行わない方針です。

「プールに入ってもいいですか?」という質問をよくいただきますが、水いぼがあってもプールに入ってかまいません。

水いぼはプールの水ではうつらないとされています。うつりやすいのは、肌と肌が直接触れ合ったり、タオル・浮き輪・ビート板などを共用したりする場合です。プールのあとはシャワーで洗い流すようにすれば安心です。登園や登校を控える必要もありません。

家庭でできる対策としては、タオルや水遊び用具を家族で共有しないこと、皮膚を清潔に保ち入浴後に保湿を行うことが大切です。湿疹(アトピーなど)がある場合は、その治療を続けることで水いぼの広がりを防ぎやすくなります。

ただし、数が急に増えてしまったり、強いかゆみでかきこわしてしまったり、顔やまぶた・陰部などにできて気になる場合、また家族や兄弟に次々と広がっている場合は、一度ご相談ください。必要に応じて外用治療や痛みを抑えた処置を検討します。

保育園や学校から「プールに入る前に取ってほしい」と言われることがありますが、水いぼを取らなくても問題ありません。

水いぼは見た目が気になることもありますが、焦って痛みの強い処置をするよりも、皮膚の状態を整えながらゆっくり治していくほうが、お子さんにとって安心でやさしい方法です。

参考:日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会・日本皮膚科学会「学校感染症 第三種 その他の感染症:皮膚の学校感染症とプールに関する統一見解」(2015年5月)。[PDFを読む](学会公式サイト)

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